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「変わり続ける老舗」文明堂のカステラ、その「変わらぬ味」のヒミツ

大野社長にインタビュー
夏目 幸明 プロフィール

これがなかなか難しく、乱雑に何でもメモると、すぐホワイトボードがいっぱいになってしまいます。そこで、いろいろ考え、要点をまとめながら書くようになると、気がつくことがたくさんありました。

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企業同士、利害が一致しないこともあります。しかし、意見が百出した後、私が「つまり全員の意見を総合するとこういうことでしょうか?」とまとめると、何とか議論が収束していくのです。

「人の意見がまとまっていくというのはこういうことなのか」と少し理解できた気がします。体面や細かいことはさておき、多くの意見のなかから、皆が幸せになれる未来を見つけ出していく、という感じでしょうか。この経験は、経営にも大いに役立っています。

巡り合わせとは不思議なもので、当社に移ったあと、最初の大仕事も合併でした。

今の妻が文明堂の一人娘とは知らずに交際し、結婚して会社を承継したのですが、当時は文明堂新宿店、日本橋店の合併が重要課題になっていました。暖簾分けによる多店舗展開の影響で、すぐ近所に文明堂が2店舗あるような非効率的な状況だったのです。

その後、順調に合併が実現し、文明堂東京が誕生したのですが、この過程で妻から印象深い言葉をもらいました。

 

いわく「以前のあなたは反りが合わない人とはすぐに距離を置いていた」。でもいつからか「選り好みをしなくなったね」と。世の中を敵と味方に分けず、皆と一緒に幸せになろうと考え続けた結果なのかも知れません。

「カステラ」のルーツ

趣味はカステラのルーツを研究することです。スペインに存在したカスティーリャ王国のお菓子だから「カステラ」と呼ばれるようになった、という説が有力で、現地にも確かにパサッとしたお菓子があります。

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