おっさんも結構つらいんです…ブレイディみかこが描く「おじさんのリアル」

その愛すべき姿を見よ
ブレイディ みかこ プロフィール

本作に登場する英国のおっさんたちは、高給を貰い、悠々自適にリタイア―というお年寄りではありません。おっさんたちも一枚岩ではなく、すごく生活がつらい人だっている。

日本だって、老後の不安を抱えているおっさんは多いと思います。本来、苦しい人たちは世代に関係なく一丸となり、政府に「ドケチはやめろ」と言わなくちゃいけないと思います。

 

―おっさんたちの奮闘する姿には、愛おしさすら感じます。

本作は、読む人の立ち位置によって受け取り方が異なると思いますが、男性だけではなく、ぜひ女性にも読んでほしいと思っています。中高年の男性は、最近は女性運動の敵とされることが多い。

しかし、おっさんにもおっさんの事情がある。もちろんおっさんにも悪いところがあるのだけれど、頭ごなしに糾弾してもしょうがない。それこそ、お互いにエンパシー(共感)を働かせて対話していけたらと思って書いた部分もあります。

織り込まれる音楽モチーフ

―作中には、ジョン・レノンやザ・フーなど、様々な曲が織り込まれています。どのような経緯で曲を入れることになったのでしょうか。

連載1回目を書いたとき、最後の締めのことばを、佐良直美さんの曲『いいじゃないの幸せならば』の歌詞からとりました。2回目も別の曲を取り入れたのですが、3回目は曲のモチーフを入れずに送ったんです。