おっさんも結構つらいんです…ブレイディみかこが描く「おじさんのリアル」

その愛すべき姿を見よ
ブレイディ みかこ プロフィール

―EU離脱の是非を問う投票で、離脱票を入れたばっかりに夫婦関係の危機に陥り、関係修復のために奔走するレイをはじめ、様々な境遇のおっさんが登場しています。

彼らとは20年以上前からの友人です。すごく仲が良いという感じではないけれど、年に何回か会いつつ、長年それが続いています。

登場するおっさんやおばさんたちは、スーパーの店員や配送業、看護師といった、労働者階級の人々です。賃金も高くなく、労働環境も決して良いとは言えません。

 

ただ、今回の新型コロナウイルス発生により、英国ではキーワーカーと呼ばれる人たちの存在に、あらためて目が向けられるようになってきました。毎週木曜日の夜8時になると家の外に出て、キーワーカーの人々に向けて感謝の拍手を送る習慣が続きました。

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ロックダウンになっても人々の生活のために働きに出ざるを得ない人、見えないところで社会を支えてきた人々をちゃんと評価しよう、という気運が高まっています。

おっさんにもおっさんの事情がある

―日本国内でもそうした動きはあるものの、ときにおっさんたちは、ミレニアル世代から「老害」と叩かれ、おっさんたちは若者を非難しています。なぜこうした世代間の対立が起きるのでしょうか。

元凶は、政府がケチだからでしょう。日本では、「国民ひとりあたり○○円の借金を背負っている」、「国民は国の借金を返していかなければいけない」などと、若いときから言われ続けますよね。

でも、実際は国の借金ではなく、政府の借金でしょう。本来、政府が賢く頭を使ってなんとかするべきで、それができない政府が無能なのに、政府に対して怒りが向かわないよう、無駄に対立させられている。