〔PHOTO〕Gettyimages

習近平が「ボルトン回顧録」に激しく狼狽している…その意外なワケ

「ガバナンス重視の国」中国の困惑

騒然とする「東アジアの火薬庫」

トランプ政権で大統領補佐官(安全保障担当)を務めたジョン・ボルトン氏が記した暴露本「それが起きた部屋(The room where it happened)」が世界に衝撃を与えている。

各国メディアがこぞって報じる一方で、ホワイトハウスからは「数多くの嘘を拡散している」(ポンペオ国務長官)との批判も出ているが、それでも超大国アメリカの本音が垣間見える内容なのは確かで、世界の注目度も高い。

書店に並ぶボルトンの回顧録〔PHOTO〕Gettyimages
 

とりわけ東アジアの国々の関心は高い。東アジアは、朝鮮半島と台湾という火薬庫を抱え、アメリカの出方次第ではそこに瞬時に火が点きかねないからである。

もちろん、日本での注目度も高く反応もさまざまだ。ボルトン氏が暴露した対中、対北朝鮮外交の実態を「既知のことで驚くに足らない」とする冷ややかな見方から、大統領のさじ加減一つで政策が大きく揺らぐ危険性を指摘する声、はたまたボルトン回顧録で日本外交の答え合わせをする、通知表を受け取る子供のような反応まで見られた。

暴露本では、世界をあっと驚かせた米朝首脳会談の実現がトランプ大統領の選挙対策であったという内幕や、G20大阪サミットで実現した米中首脳会談において、トランプ大統領が習近平国家主席に「アメリカの農産品を大量に購入し自身の再選に協力してほしい」と要請した裏話が紹介されている。またウイグルや香港など人権や民主化の絡む問題に、実は大統領が冷淡であったことも暴露されている。

国際政治のリアリズムと言ってしまえばそれまでだが、日本人にしてみれば梯子を外されたショックは否めない。ここからどんな教訓をくみ取るべきかについては今後も議論の的となるだろう。