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これは人喰いヒグマの祟りか!「三毛別事件」知られざる衝撃の後日譚

本当にあった怪奇事件簿②
朝里 樹 プロフィール

妊婦の腹を引き裂き、胎児を掻き出し…

午後9時頃、ヒグマはまず明景家の妻、ヤヨとその子どもたちを次々と襲った。

それを見た太田家の寄宿人、オドが逃げ出すとヒグマは標的を彼に変え、その肉を引き裂いた。これにオドが悲鳴を上げると、ヒグマは明景家の三男、金蔵を殴り殺し、斉藤巌に瀕死の重傷を負わせ、弟の春義をその場で叩き殺した。

彼らの母親であり、妊婦であった斉藤タケは子どもたちの断末魔にたまらず隠れていた場所から飛び出した。それを見たヒグマは彼女の臨月の腹を引き裂き、胎児を土間に掻き出した後、彼女を食らった。

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明景家に集結した討伐隊はヒグマの気配のため家には入れず、発砲もできずにいた。やがてヒグマが飛び出してきたが、ヒグマを撃ち殺すことは敵わず、ヒグマは逃げてしまう。

この時タケの腹から掻き出された胎児と重傷を負った巌は何とか救出されたが、2人とも間もなく亡くなった。

12月12日、この事件の一報が北海道庁に届けられ、熊狩り本部が結成される。苦肉の案としてヒグマが獲物に執着するという習性を利用し、殺された遺体を囮として使うこととなった。この作戦に反対した遺族は1人もいなかったという。

そして翌日13日、ヒグマは農家を次々と荒らしていたが、討伐隊員たちにより発砲が行われる。この時の弾丸はヒグマに命中し、翌日14日、血痕と足跡が発見される。

ここでヒグマ討伐に加わっていたマタギのひとり、山本平吉がいち早くヒグマを発見した。熊撃ちの名人であった彼は一撃でヒグマの心臓近くを撃ち抜き、続く銃弾でヒグマの頭を貫通させた。