ヤクザ「仁義なきシノギ」にいよいよ終止符か…特殊詐欺をめぐる新たな動き

稲川会「特殊詐欺を禁ず」の裏事情
川崎 真 プロフィール
特殊詐欺の使用者責任として、亡総裁西口茂男親分、関功会長、福田晴瞭特別相談役の三氏(肩書きは当時)に対し、訴訟を起こされ裁判を係争中ですが、亡総裁に対しては、その遺族にまで訴訟が及んでいる次第で御座います。

敗訴となればその事件の当事者である各組織の責任者にすべての責任を取って頂く事になりますのでどうか各一家各会の責任者の方々は、1人1人にしっかりとした教育指導をして頂き新年度は破廉恥な詐欺犯罪を無くして頂くことをお願いします

この住吉会の通達に明確に書かれているように、稲川会の上層部が恐れているのもまた、暴力団対策法に基づき、代表者である組長が特殊詐欺の被害者に賠償責任を負うことなのだ。

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民暴弁護士の奮闘

特殊詐欺を巡り、警察当局が暴力団の検挙を重要視していることは前述したとおりだ。

これに加え、近年は日本各地の弁護士会の民事介入暴力対策委員会に所属するいわゆる「民暴弁護士」たちが主導する形で、特殊詐欺の被害者が原告となり、各組織の組長らトップに損害賠償を請求する民事訴訟が相次いでいる。

 

稲川会の通達が出される2カ月前の2020年3月には、東京高裁が稲川会系組員の実行した特殊詐欺を巡り、同会の清田次郎元会長に対して約1600万円の賠償金の支払いを命じる判決を下している。

民暴に詳しい中村剛弁護士(東京弁護士会)はこう振り返る。

「2008年に施行された改正暴対法では、指定暴力団の組員が『暴力団の威力を利用した資金獲得行為』について他人の生命や財産を侵害した場合、代表者も賠償責任を負うと規定しています。これまでも抗争の犠牲になった被害者の遺族や、みかじめ料を取られた被害者が組長に損害賠償を求める事例はありました。