生まれた瞬間から不利…黒人が直面する「構造的差別」の深刻すぎる現実

生誕から大学卒業までに体験すること
畠山 勝太 プロフィール

では、ノーベル経済学者の訴えは、政治家たちに届いているのだろうか? 答えはノーである。

貧困層と富裕層で認可幼児教育施設へのアクセス率は4倍もの格差が存在しているが、二つの地図を見比べてみると、よりこれが人種間格差と密接に結びついていることが見て取れる。

一つ目の地図はWeldon Cooper Center for Public Serviceによる住民の人種比率を表したもので、二つ目の地図はthe Center for American Progressによる幼児教育の利用可能度合いを表したものである。

私の記事は、LA・DC・NY・デトロイトのような大都市を具体例として挙げることが多いので、今回は私が住む州都と大学街の組み合わせを見てみよう。

図1
図2

この地図を解説すると、Lansingと書かれている場所がミシガン州の州都で、ライフルを持った白人集団が議事堂になだれ込んで日本でも話題になった写真の地である。

East Lansingと書かれたところが私のいるミシガン州立大学が存在する場所である。州都周辺は住民の大半が黒人で、全米でもトップ30にしばしばランクインするほど治安の悪い地域である。

これに対し、わずか数キロ先の大学街は住民の大半が白人である(一般的にアジア系は、豊かなで教育熱心な東アジア系・貧しい難民など内訳が多様であるため、土地勘がないと解釈が難しく一般化がしづらいので割愛する)。

 

そして、黒人が多く住む州都は幼児教育の充実度も低いが、白人が多く住む学生街は幼児教育の充実度が極めて高い。

つまり、黒人の子どもを白人の子どもと比べた場合、(1)生まれた瞬間に既に躓いている、(2)家庭内幼児教育が劣悪、(3)家庭外の幼児教育についてもアクセスが劣悪、という現実がある。この時点で既にお手上げ感が満載だが、もう少し子どもたちを成長させてみよう。