生まれた瞬間から不利…黒人が直面する「構造的差別」の深刻すぎる現実

生誕から大学卒業までに体験すること
畠山 勝太 プロフィール

新型コロナウイルスでも話題となっている米国のCDC(アメリカ疾病予防管理センター)から2019年に出された報告書によると、白人の子どもの低体重出生児比率はわずか6.9%であるのに対し、黒人のそれは14.1%と倍以上の高い比率を記録している。

このデータが示唆するように、黒人の子どもは、生まれた段階で既に白人の子どもに対して不利な状況に立たされているという、深刻な現実が存在している。

また、ノーベル経済学者のヘックマンが、不利な背景を持つ子どもに対する幼児教育が重要であることを説いた背景には、育児の貧困が挙げられる。

もちろん、個人個人の家庭を見れば、ひとり親が育児の貧困を意味するわけではないが、集団で見た場合、ひとり親家庭の割合の高さは、育児の貧困を経験する子どもの比率の高さにつながってくる。

black children poor
 

米国の統計局によると、白人の子どもは、その4分の3がふたり親家庭で育っているのに対し、黒人の子どもは約58%がひとり親家庭で育っている。そして、日本でも見られる傾向であるが、ひとり親家庭の出現率は、保護者の教育水準が低いほど高くなる。

つまり、白人の子どもは、教育水準の高いふたり親の元で育っていくのがマジョリティであるのに対し、黒人の子どもは、教育水準の低いひとり親の元で育っていくのがマジョリティとなっている。

米国の離婚率が高いという話を聞くと、米国ドラマの影響から、自立した女性が不甲斐ない男性を捨てるのをイメージしがちだが、実際は教育水準も所得もある白人女性はほとんど離婚などしていない。

話はそれたが、件のノーベル経済学者は、この白人と黒人の育児の貧困度合いのギャップを埋めるために、不利な背景を持つ子どもでも良質な幼児教育にアクセスできるようにしなければならないと訴えているのである。