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生まれた瞬間から不利…黒人が直面する「構造的差別」の深刻すぎる現実

生誕から大学卒業までに体験すること

黒人の子どもたちが直面する現実

現在、米国ではBlack Lives Matter運動が拡大している。

大規模な暴動があちこちで起こっていた頃に比べると格段に落ち着いてきたものの、警察解体問題や、銅像の引き倒し、建物に記念としてつけられた白人の名前の取り消し、Police Lives Matterとの小競り合い、などが続いている。

黒人差別の歴史自体は、黒人奴隷や南北戦争、公民権運動などの話で、ある程度日本にも伝わっている。しかし、今を生きる黒人の子どもたちが、どのような構造的格差に直面しているのかは、あまり知られていないように思われる。

そこで今回は、黒人の子どもが生まれてから大学を卒業するまでに、一体どのような現実が待ち受けているのか、簡単に追体験してもらうことで、BLM運動の背景を紹介したい。

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就学前:低体重、貧困、ひとり親…

まず、子どもたちが生まれてくるところから追っていこう。

ユニセフが途上国で強力に推進しているように、子どもにとって、母親のおなかに宿ってからの最初の1000日は非常に重要である。なぜなら、この間に脳の発達の大部分が起こるからである。この時期に飢餓のような発達に対する大きな負のショックを経験すると、そのダメージは一生残ってしまうことが分かっている。

この、最初の1000日間の代表的な指標が「低体重出生児比率」である。

もちろん、子ども一人ひとりや、母親一人ひとりを見た場合、低体重で生まれてくることは、必ずしも母親のおなかの中での環境や、子どものその後を決定づけるものではないが、集団内での低体重出生児比率は、その集団に属する子どもの、母親のおなかの中での環境や生まれてからのその後について示唆を持つものである。