フジ・NHKを超え…テレビ東京が「就職したい放送局1位」に輝いた理由

苦節56年にして
高堀 冬彦 プロフィール

いぶし銀のようなスクープ

『きのう何食べた?』(2019年)や『フルーツ宅配便』(同)、『孤独のグルメ』(2012~19年)などのドラマもファンが熱い。『きのう――』はラブコールに応じる形で2021年の映画化が決まったし、『フルーツ――』、『孤独の――』は続編を望む声が絶えない。

忘れてならないのが、報道局の活躍。他局のニュースが長時間化、ワイドショー化するのを尻目に、オーソドックスなスタイルを守りながら、いぶし銀のようなスクープを放ち続けている。例えば2019年11月には財務省が開示を拒んでいた森友学園への土地売却関連文書を独占入手。堂々の調査報道だった。

『ガイアの夜明け』案内人の松下奈緒 photo by gettyimages
 

経済ドキュメンタリーなのにスクープを放ち、他社を後追い取材に走らせたのが、『日経スペシャル ガイアの夜明け』(火曜午後10時)。不動産会社・レオパレス21の契約トラブルや施工不備などを次々と暴いた。同社は民放にとって有力なスポンサーだが、まるで忖度しなかった。圧巻の一語だった。

一方で2010年の参議院選挙からは開票特番のキャスターに池上彰氏(69)を起用。バンザイの中継と各党選挙責任者による不毛な言葉ばかりが目立っていた開票特番を、面白くてためになる政治エンターテインメント番組に変貌ざせた。開票特番の革命だった。

コンテンツ産業であるテレビ業界は人材がすべて。就活生からの支持が厚いテレ東は前途洋々ではないか。今の視聴率は最下位だが、ゴールデン帯(午後7時~同10時)とプライム帯(午後7時~同11時)は数字が伸びており、近い将来、他局に追いつく可能性がある。番組制作能力では既に肩を並べた。テレ東を模倣したとしか思えない番組を他局が放送しているからだ。