3人の保護乳児を迎えて
自分たちの家族を作った夫婦

左から、マリアの娘で4歳のAmelie(アメリー)、プロテスタント系スクールの教師をするHorst Theißen-Körner(ホルスト・タイセン・ケルナー)、障害児スクールの教師Maud Schabenow(マウド・シャベノウ)、21歳のIsabelle Schulz(イザベル・シュルツ)、27歳のMaria Scheffler(マリア・シェーファー)。自宅の庭で。マリアの実の兄、28歳のKevin(ケビン)は不在だった。ホルストとマウドは、同じ大学でともに日本語を専攻していた。マウドは日本に住んでいたこともある。

1993年、大学時代の同級生だったホルストとマウドは結婚した。再婚のホルストには前妻との間に3人の息子がいたが、マウドは初婚。「その時39歳だった私は、年齢的に出産という選択肢はなくて。でも家族を作りたかった。それで児童保護施設にいる保護乳児を迎えることを選んだの」。やがて、2人の元にやってきたのは、1歳のケビンと0歳のマリアの兄妹だった。さらに6年後、生後6ヵ月だったイザベルを迎え入れた。

現在、マリアは27歳、結婚して2人の子どもがおり、お腹には赤ちゃんがいる。彼女が施設に預けられた当時、実の母親は精神を病んでいた。その後、母親に会ったが、マリアは「もう会わなくていい」と思っている。イザベルもまた両親の顔を知らなくていいと18歳の時に調べることをやめた。2人とも思春期の頃に自分のバックグラウンドを理解したという。

ホルストは言う。「昔は戦争の影響もあったけれど、親戚の子や血のつながらない子を育てることは割と普通にあったこと。現代の核家族化が、こうあるべきと親子の形を作ってしまったように思う」。ホルストは前妻との息子たちとの関係も良好で、彼らとイザベルたちを連れて、一緒にキャンピングカーでイタリアを旅したこともある。

「人間も人生も型にはめてもその通りにはならない。いろいろな家族の形があっていいんだって、僕は思っています」


ご意見をお聞かせください
FRaUでは、SDGsに関する意識調査アンケートと、「FRaU×SDGsプロジェクト」の会員登録を実施中。回答された方には、今後開催予定のワークショップやパーティなどのお知らせ、SDGsの最新トピックスをメールでお送りします。

●情報は、FRaU2020年1月号発売時点のものです。
Photo:Norio Kidera Coordination:Yumiko Urae Text & Edit:Chizuru Atsuta