なぜ若者は選挙に行かないのか。風化した「18歳選挙バブル」

解決するためにできる2つのこと
たかまつ なな プロフィール

解決するためにできる2つのこと

若者の投票率が低い理由を述べてきたが、ここからは、どうやったら投票率が上がるかを考えていきたい。

先の総務省の調査によると、親の選挙に子供の頃に同行したことがある人のほうが21%、学校で主権者教育を受けたことのある人のほうが7%、それぞれない人よりも投票率が高いことが分かった。

もちろんこれらは有効であると思うが、より私が必要だと思うのは、下記2つである。

 

●抜本的な主権者教育の見直し

教育現場では、「政治的中立性」が求められる。しかし、これが過度に求められ、具体的な政治事象について取り扱わず、選挙の仕組みについてのみ扱うケースや架空の政策について選挙公報を作り模擬投票を行うというケースが多いと聞く。

実際のマニフェストについて触れられることや、過去の法律や政策決定の過程を追うということはなかなかない。4年前、総務省と文科省が副教材「私たちが拓く日本の未来」を作成した。しかし、ページ数が100ページ以上と膨大なうえ、教師用の指導資料は禁止事項などが並んでおり、現場の先生からは使いにくいと不評であった。

〔PHOTO〕iStock

例えば、「政党比較表を完成させよう」というページは、枠は用意されているが真っ白で、生徒が調べて記入しなければならない。先生が全政党のマニフェストを配布するのは公職選挙法上難しく、生徒が自力でこれを埋めるのはかなり不可能に近いだろう。私は選挙期間中、似たようなものを作るのに少なくとも30〜50時間はかかっている。これを生徒に情報収集からやらせるのだろうか。
ちなみに、指導資料の中には、これが次の授業までの課題であること、そして公職選挙法に留意する必要性があることが記載されている。

主権者として育てるための副教材がこれで良いのだろうか。選挙の仕組みと手法集になっており、なぜ選挙に行く必要があるのか、個別具体的な政治についてはほとんど触れられていない。学校の先生が一番頭を悩ませる政治的中立性は現場に委ねられている。