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日本人が知らない、学校統廃合の現場で起きている「異様すぎる光景」

3つの誤った常識

学校統廃合が止まらない

学校統廃合が止まらない。

平成期の30年間を振り返ったとき、最初の10年間(平成元年から10年まで:1989年から1998年)の小学校の増減数はマイナス603校にとどまっていた。

それに対し、次の10年間(平成11年から20年まで:1999年から2008年)はマイナス1819校と3倍に上っている。

平成期中盤に、まさに学校統廃合ブームが到来したわけだが、この時期は平成の市町村大合併とも重なっていた。

そのため筆者はうかつにもこれを一過的なものと見てしまったが、これで終わらず最後の10年(平成21年から30年まで:2009年から2018年)では、なんとマイナス2584校となり、学校統廃合はますます勢いづいてしまった。

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そして令和の今も、学校統廃合は持続中のようである。

人口減少下にある我が国で、学校は子育てを支えるためになくてはならないものである。学校数のさらなる減少は、子育て環境の悪化を導き、さらなる人口減少を誘引しうる。

いったい現場で何がおきているのだろうか。

もっとも、ここで問題にしたいのは、これまでの平成の学校統廃合の一般的ケースではない。令和型ともいえそうな、もっと新しい形態のものである。

ここでは、広島県福山市で進行中の小中学校の再編計画をとりあげる。

福山市の教育行政は近年、メディアに様々な形でその先端性が取りあげられている。

なかでも、2022年4月開校予定のイエナ教育校が、新聞テレビで話題となっている。

だが30名×6クラス予定のこの学校の新設の影で、多数の小規模校の統廃合が強行されており、筆者はこの統廃合計画をこの3年ほど観察する機会があり、ここにある種の病理を感じている。そしてこの病理はもしかすると、全国にも広がりかねないものと懸念する。

その病理を指摘するためにも、このケースの分析に先立って、平成期後半の止まらない学校統廃合がいかなるメカニズムに基づいていたのかを解説しておきたい。