よりよい世界をつくるためには、私たちの日々の暮らしを見直してみよう。先進的なエリアの市民は、グローバルな問題であるSDGsを自分ごととして捉え、ローカリズムを大切にしています。今回注目するのは、ドイツ・ベルリン。

ヨーロッパの中でもとりわけベルリンは“多様性の街”と言われており、セクシャルマイノリティも外国人も存在を認め合う、そんなおおらかさがある街。一人ひとりが“生”を謳歌できる素晴らしさや、寛容の精神など、その魅力をこの街に住む3家族が教えてくれました。

フランスとベラルーシ出身の
インターナショナルな3人家族

左から、Nicolas Bétoux(ニコラ・ベトウ)、Jean(ジャン)、Olga(オルガ)。自宅のリビングにて。ニコラは日本のゲームやアニメが大好き。部屋には“ファミコン”をはじめ、任天堂のゲーム機や関連本がずらり。息子のジャンも懐かしい“ゲームボーイ”に夢中。オルガは歯科関連の会社でグラフィックデザインを担当している。「ドイツ人は時間をきっちり守るから最初は大変だと思ったけど、暮らしてみると隙間時間がたくさんできて効率がよくなったわ」

フランス出身、ゲームデザイナーのニコラと、ベラルーシ出身のグラフィックデザイナーのオルガ夫妻は7歳の息子ジャンと3人暮らし。ニコラとオルガは9年前、ドイツのバウハウスユニバーシティで出会い、その後、結婚。2人はジャンが2歳の頃にベルリンにやってきた。現在、会社勤めのオルガがフルタイムでバリバリと働き、自宅作業とパートタイムの仕事でフレキシブルなニコラが主に育児を担当する。

ベルリンの魅力は何と言ってもさまざまな国からの居住者が多いこと。「周りを見回しても出身はイタリア、カナダ、オランダ、アメリカなどたくさんいるよ。ベルリンはまさに小さなヨーロッパみたいな場所」とニコラ。「いろいろな人種が交ざり合っているけど、ニューヨークのような大都市でもなく、ヒエラルキーもなくオープンマインド。外国人も働く機会がある」とはオルガ。

もはや互いの故郷よりも暮らしやすいと笑う2人。子育て環境も比較的整っていて、ジャンとはドイツ語、フランス語、英語、ロシア語で会話する。学校でもさまざまな言語の授業を選択できる。彼らは言う。「アーティストも多く、インディペンデントであることを誇りにしている人が多い。他人は他人。良い意味で干渉しない。そのことも多様性のある街を形成している理由の一つなんじゃないかな」