新型コロナ・ウイルスの襲来で、リーダーの指導力が試された。人間力もあぶり出された。
ドイツのメルケル首相やニュージーランドのアーダーン首相は、すばらしいリーダーだと評価が高まった。ブラジルのボルソナロ大統領やアメリカのトランプ大統領は、迷走ぶりが際立った。
そんななか、ひときわ注目を集めたのが、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事である。
アメリカは、イタリアやスペインを追い越し、世界最大の感染国となった。とりわけニューヨーク州は、3月から4月にかけて、感染が爆発した。
クオモ知事は、その陣頭に立って、コロナとの闘いを指揮した。3月初めから毎日、記者会見を行なった。コロナとの闘いでは、市民への情報提供、市民の協力が欠かせない、と確信していたからである。それがCNNで中継された。
クオモNY州知事の記者会見は、「勇気づけられる」「癒される」「リーダーはかくあるべき」と評判になり、スピーチを心待ちにする人びとが全米に拡がった。
クオモ知事のスピーチは、パワースピーチのお手本である。パワースピーチとは、ひとを動かす、本物のリーダーのスピーチのこと。
ポスト・コロナの混迷の時代を導くリーダーに、不可欠の能力である。世の中には、パワースピーチというものがあるのだ! これを知っているだけでも、未来に光が射してくる気がするではないか。