ニューヨーク在住記者が日本の「カジノ論議」があまりに的外れと感じる理由

過度の期待と過度の恐怖
笹野 大輔 プロフィール

欧米から日本に来る白人はものすごく少ない

まず、日本で外国人観光客といえば「白人」をイメージするだろうが、欧米から日本に来る白人はものすごく少ない。ニュースやテレビ番組で外国人観光客のことを取り上げる際に白人を映すからイメージでそうなっているが、実際に日本に来ている外国人の8割以上はアジア人だ。

中国、台湾、香港だけで外国人観光客の5割を超え、そこに韓国を加えると7割を超える。そして、シンガポールやマレーシアなど「その他のアジア」を加えると、日本に来る外国人観光客は84.1%がアジア系ということになる。

中国 30.1%
韓国 17.5%
台湾 15.3%
香港  7.2%
その他のアジア 14.0%
アメリカ 5.4%
ヨーロッパ人全体 6.2%

(ソース:2019年 訪日外国人観光客 日本政府観光局)
ニューヨークでも中国系はカジノ好きなのでチャイナタウンからカジノ行き直行バスが出ている
 

さらに加えるなら、シンガポールは国民の74%が中国系で、マレーシアでも44%が中国系の住民比率になっている。つまり、日本の外国人観光客は中国系の人と韓国人がほとんどを占めている。欧米人で一番訪日しているアメリカ人でさえも5%にすぎない。日本での外国人向けのカジノ建設は、現状だと間違いなく中国系に向けてのビジネスになる。だから、日本にカジノができたら「中国人は来てくれるのだろうか?」と考えることから始めなくてはいけない。

また、個人的にはなんでもやってみるほうが良いと考えるたちだが、西洋風のモノマネでは上手くいかないのがカジノだ。カジノ経営はそんな簡単ではなく、アメリカでも経営破綻しているカジノは多い。日本ではカジノを造っても経営がうまくいかない場合がある、という視点が抜け落ちている。