ジャーナリストの島沢優子さんによる連載「子育てアップデート~子どもを伸ばす親の条件」。今回のテーマは、日本のICT教育の「危機的状況」と「希望の光」についてお伝えする。OECDによる調査でわかった日本のICT教育の状況を見てわかることとは何か。その状況で希望の光として感じられる物とは何か――。

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「コロナ禍の子どもの学び」世界の調査

OECD(経済協力開発機構)から提示されたグラフを見て、私は思わずニンマリした。
「世界の大人も、日本の大人と同じことを感じているのだ」

OECD(経済協力開発機構)からコロナ禍の教育における対策レポートが、3月下旬に発表された。98か国の教育に関するニーズと順次出される対策について、OECDがハーバード大学大学院などと合同で緊急調査をしたものだ。それが、日本イノベーション教育ネットワーク(協力OECD)によって「2020年新型コロナウイルス感染症パンデミックへの教育における対策をガイドするフレームワーク」のタイトルで、先ごろ第4版が仮訳された。

コロナ禍で、国内でも教育格差が生まれたが、世界の中でもICT教育の有無で大きな違いが生じていた Photo by Getty Images

最も目をひかれたのが「この危機的状況に対する希望の光はあるのか?」というタイトルだ。

「この変化から教育に生じた予想外の肯定的な成果」のグラフ(参照1)を見ると、最も多かったのは「テクノロジーや他の革新的なソリューションの導入」で「やや成果がある」と「かなり成果がある」の合計は約87%。その次に多いのが「子どもたちが自らの学びをマネジメントする自律性の伸長」だった。両者の総計が約84%に上る。
(98か国が協力しているが、一国あたりの回答者はひとりの国もあれば二十数人のところもある。それぞれの国の子どもの数に応じてなのか、おおむね人口比に応じた回答者数でアセスメントされている)

参照1「OECD 2020年 新型コロナウイルス感染症パンデミックへの 教育における対策をガイドするフレームワーク 」より
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多くの国の人たちがコロナ禍で休校になりながらも、世界の子どもたちが自律的な学びを身につけたと評価。OECDはこれを「危機的状況に対する希望の光」と位置付けたのだ。