ピーテル・ブリューゲル『死の勝利』

歴史上の「パンデミック芸術」、プロの目で見ると示唆が深すぎる…!

ブリューゲルからベックリンまで

いずれコロナ禍が収束すれば、新たな日常がやってくる。しかしそれは平時と非常時が入り混じったような、いままでとは違う日常であるはずだ。情報社会のなか、わたしたちは恐怖を煽られ、人との距離を取る。しかし芸術は本当にソーシャルディスタンスを保ちながら可能なのだろうか? これまでの感染症と芸術の歴史をふり返りながら、ポストパンデミック時代の芸術の使命とは何かを探っていく。

ライブストリーミングチャンネルとして芸術に関する様々な情報を発信し、今年10年目を迎えたDOMMUNE宇川直宏氏と、ニコ生チャンネル「芸術動画」を運営する芸術集団・カオス*ラウンジの黒瀬陽平氏が語った(本記事は、2020年4月24日に放送された対談をテキスト化したものです)。

【構成:住本麻子】

 

ポストパンデミックを考える

宇川:今回の放送は、タイトルが「ポストパンデミックと芸術の使命」。これは黒瀬くんが付けてくれたタイトルなのですが、黒瀬くんはポストパンデミックという現象よりも、グローバル化によって急速に深化した情報社会に起こったパンデミックであるがゆえに「インフォデミック」のほうが重要だと思っているよね。よってこのセクションでは、ポストパンデミックとインフォデミックの両方について語るべきかなと思っています。

黒瀬:コロナ禍以前から、オンラインのプラットフォームを運営しているDOMMUNEと芸術動画だからこそ、ポストパンデミックやインフォデミックについて語れることがあるんじゃないかと思います。DOMMUNEはストリーミングスタジオとして長い歴史があり、プラットフォームとしての信頼があるからこそ、コロナ禍で困っている人たちがDOMMUNEを介して情報を発信していますよね。

宇川:そうですね。DOMMUNEではこれまで2回、記者会見をやりました(その後計6回行なっている)。1回目は「#SaveOurSpace」と銘打って、ライブハウスとクラブに対する営業自粛要請に対して補償を求める署名活動について。2回目は「Mini-Theater AID」という、ミニシアターを救うためのクラウドファンディングについての記者会見を行いました。全員がZoomで出演して、無人・無観客・無記者での記者会見でした。

いままで日刊のメディアとしてストリーミングを10年やってきて、テレビメディアが生み出した様式を自分たちなりに壊し、再構築していきたいという欲求があったので、一途にUPDATEしつづけてきた。そのなかでも記者会見というフォーマットは手付かずだったので、探求したかったんです。存知の通りDOMMUNEは現在の僕のアート活動の総体なので。