新型コロナウイルスがまだまだ猛威をふるっていますが、ワクチンや薬の完成はもう少し先になりそうです。感染しないため、あるいは感染したとしても重症化しないため、体の免疫力そのものを上げることの大切さが問われています。では、ウイルスに負けない体はどうしたら作れるのでしょうか?

20年来風邪をひいていないという便秘外来医師、小林暁子先生は、免疫力のカギを握るのは腸内環境だと言います。なぜ、腸内環境改善が免疫力アップにつながるのか、どうしたら腸内環境をよくすることができるのか、新刊『免疫力を上げる健美腸ルール』からの一部抜粋でお伝えします。

小林暁子 小林メディカルクリニック東京院長。医学博士。順天堂大学医学部卒業後、順天堂大学総合診療科での経験を経て、便秘外来・内科・皮膚科・女性外来など全身の不調に対応するクリニックを開業。人気の便秘外来では、トップアスリートやエグゼクティブなども含めて2万人(のべ15万人)以上の患者の治療に携わり、高い実績を上げている。TV出演、講演などでも活躍中。

腸を守れば、体を守れる

今、注目されているのが、体を守る免疫器官としての腸の働きです。なぜなら、体内の免疫細胞のじつに70%は、腸に集まっているから。つまり、体内に入ってきた有害なウイルスや病原菌を撃退して、体内に吸収させないような防御システムを持つのが「腸」という臓器なのです。

外から侵入しようとするウイルスや菌などから体を守るためには、この腸が持つ防御システムに存分に働いてもらえばいいわけです。けれど、加齢によって、あるいはさまざまな生活習慣などからダメージを受け続けることによって、腸内年齢は上がり、腸は本来の力を発揮できなくなってしまいます。

「たかが便秘でしょう?」と思っていた方も、これからは腸内環境ケアを無視できなくなるはずです。「腸を守ること」イコール「体を守ること」なのですから。

一方、これまでの診療経験のなかで、腸内ケアによって腸内年齢を下げることに成功した患者さんの例を多く見てきました。腸内環境は日々の心がけ次第で、何歳からでも改善することができるのです。

腸内環境は何歳からでも人生を変える

例えば、ある94歳の女性患者さんは、若い頃からひどい便秘症でした。1週間に1回お通じがあればよいほうで、40代以降は下剤を飲まないと便を出せない状態が続いていました。年をとってからは食も細くなり、ますます便が出にくくなっていました。水分も不足しているようなので、食生活では、日中しっかり水分をとっていただくこと食物繊維を積極的にとっていただくことよく噛むことをすすめました。下剤の使い過ぎは、便秘治療に逆効果になることがあるのでやめ、整腸剤を処方し、使用していただきました。その結果、便がスムーズに出るようになり、肌も見違えるようにキレイになりました。決しておおげさではなく、ご本人は大真面目で「人生で、今がいちばん元気」とおっしゃっています。

実際、クリニックを受診された者さんの腸を整えると、驚くほど不調が消えていきます。活動的になり、肌も美しくなり、自然と痩せ体質になったり肥満が解消されたりする、という例をこれまで数多く見てきました。性格まで明るくなったり、更年期症状が改善したりする例もあります。そこで、実際に患者さんにお伝えしているプログラムや腸内環境をよくする秘訣を「健美腸ルール」として、ここでは3つだけ簡単にご紹介したいと思います。