誰かと一緒に暮らしたい

7月に入った。通勤電車や繁華街の密度もだいぶ戻ってきて、夕方になれば、あちこちの居酒屋で酒盛りをするグループの姿も見るようになった。

私も、自粛期間中はオンラインでの交流に留めていた友人たちと、2〜3人程度での飲み会の予定を入れ始めている。画面越しに話をするのと、現実の空間の中で向き合って話をするのとでは、五感が受ける刺激も、そこから引き出される会話の奥行きが少し違っていて、飲み屋の喧騒が与えてくれる心地よさを、いまだかつてなく味わっている。

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それでも心は「コロナ」から完全に離れることはできない。外に出られる安堵、第二波への不安、在宅を快適にするための情報、まだ休業中の舞台やエンタメへの切望など、話題は多岐にわたるけれど、女友達と話していて出てくるのはやはり、「独身でもいいと思っていたけれど、誰かと一緒に暮らしたくなってきた」という声だ。

かくいう私も、毎日誰かとしゃべってそれを元にあれこれ考えることで自分の輪郭を保っている「3密」大好きな人間なので、知人と会えない自粛期間が本当にこたえて、自宅に誰か話し相手がいる人たちを、SNS上でとても羨ましく眺めていた。

もうすぐ31歳を迎える今日この頃、ここはやはりまた「結婚」という選択肢と真剣に向き合うべきなのか……? と思っていたところ、久しぶりの飲み会で知人が新しく紹介してくれた女性Wさんがこう話しかけてきた。

「私、ちょうどこの年末に離婚したんです。コロナ自粛が一年早かったらこうはならなかったなあと思うと、本当よかったなと思っていて。一緒にいて居心地がいい人と結婚したはずが、500万円の慰謝料を払う羽目になった話なのですが、興味あります?」

「コロナ結婚した!」という話かと思いきや、「離婚」の話とは……。と驚いたものの、後学のためにも、じっくり聞かせてもらうことにした。