「コロナ後」の世界で、じつは「日本の製造業」が大復活しそうなワケ…!

GAFAは後退する
大原 浩 プロフィール

奇妙奇天烈な状態

なぜコヒーレンス(量子の重ね合わせ状態)を維持するのが難しいかということについては、例えば我々人間がいわゆる「量子状態」にはないことを考えればすぐにわかる。

量子的振る舞いとは、例えば「大原浩が銀座にいる確率が50%、六本木にいる確率が50%」であり、誰か(例えば田中さん)が私に会いに来るまで、どちらにいるのか定まらないという奇妙奇天烈な状態だ。

もちろん、私も細かく分解すれば量子でできているのだが、私の体の中の量子レベルの世界では、量子が動き回りお互いがぶつかって(「観測」されて)いる。

よく、量子は「観測」するとその性質を失い普通の我々が日常見かける物質と同じようなると言うが、「観測」とは、要するに量子を量子にぶつけて計測することだ。

したがって、エネルギーによって量子が動いている限り、量子同士がぶつかって「観測」されることを避けることができず、量子的振る舞いも消えてしまい、我々が体験する日常世界が出現する。

唯一量子状態の維持が可能なのは、量子の活動が基本的に止まってしまう絶対零度(マイナス273度)を維持することであり、そのために写真でよく見るような、パイプが何重にも重なった巨大な冷却器が必要なのである。

photo by Google
 

よく、量子コンピュータの写真として紹介される大型の黒い箱や巨大なパイプは、中の量子チップを冷やすための装置であり、量子チップそのものは指先に乗るほどの小さなものにしかすぎない。そもそも量子とは原子よりもはるかに小さいものであるから、そのチップが極小であるのも当然だ。