「ご注文は以上でよろしかったでしょうか?」
「HIROさんに〜していただいた」(EXILE TRIBE)
「卒業させていただく」

こういった敬語の表現を、最近よく耳にします。

「ご注文は以上でよろしかったでしょうか?」は、いわゆる“ファミレス敬語“です。ファミリーレストランなどでよく聞かれる表現であるために、俗語としてこう呼ばれるようになりました。そして、身内の行為にもかかわらず、EXILE TRIBEの人たちが「HIROさんに〜していただいた」、若者が「母に買っていただきました」と言ったり、別に特に許可がいる場面でもないのに「卒業させていただく」と言ったりする“謙譲語もどき”も増えています。

写真はイメージです〔PHOTO〕iStock

敬語の「乱れ」ではなく「変化」

これらを「敬語の過剰化」、あるいは「敬語の乱れ」だと思う大人は少なくないでしょう。

日本語の敬語はそもそも複雑で、習得に時間がかかります。だから、子供が使うのは難しいですし、難しいからこそきちんと使えることが教養の証として賞賛され、「新用法」が糾弾されます。

しかし実は、言語学者たちはそうは見ていません。「日本語が変化している」のだと見ています。そもそも敬語そのもののあり方が変わってきていて、若者たちはその目的や機能、そして日本語の文法規則において、ある意味、自然な使い方をしていることが多いので、こんなにも素早く変化し、浸透してきているのです。

まずは、21世紀に入ってから目立ってきた、「よろしかったでしょうか」という、いわゆる「ファミレス言葉」について考えてみましょう。