photo by iStock

発達障害の子の「能力を伸ばす親」はやっぱり「ほめ上手」だった

「ほめ効果」をあげる言葉かけのコツ 

子どものダメなところやできないことが目について叱ってばかりいると、子どもは自信ややる気をなくしてしまいます。

「子どもはほめて伸ばす」という言葉もあるように、shizuさんが提案する、ABA(応用行動分析)を利用した言葉かけを実践する上でも、ほめることは大切なポイントです。

shizuさんの著書『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』の監修者でもある小児科医の平岩幹男さんのアドバイスも参考にしてください。

イラスト/得能史子

「ほめるのは特別なとき」という思い込みを捨てる

それまでできなかったことができるようになったり、与えられた課題をクリアできたりしたときにほめ言葉をかけられると、その行動が強化され、繰り返しできるようになることがよくあります。

ABAでは、ある行動ができたときに与えるごほうびのことを、「強化子(好子)」と呼びます。お菓子やおもちゃといった「物」はもちろんのこと、親の笑顔やほめ言葉も強化子の一つです。

なかなか結果が出ない場合でも、「がんばってるね。えらいよ、その調子」といった言葉をかけ、努力して取り組んでいる過程をこまめにほめることで、その言葉が励みとなって行動が強化され、課題達成につながるのです。

 

:平岩医師からのアドバイス: 

ABAでは基本的に子どもの望ましい行動をほめて強化し、望ましくない行動は無視する、罰を与える、ごほうびがもらえないなどの方法で消去することを考えます。

しかし実際には強化がなかなかうまくいかなくて、不適切な行動が増え、消去ができなくて困り果てるということもあります。

そんなときには体を動かして一緒に遊んだりスキンシップをとったりして気分を変えることも大切です。

子どもがほめ言葉を理解できない場合でも、わからないから言わないではなく、言葉に出してください。ほめることももちろん大切ですが、ほめられてうれしいという感情を子どもと共有できたらすばらしいですね。

子どもをほめることの大切さはわかっていても、何をどうほめていいかわからないという人もいるのではないでしょうか。

実際、子どもができなかったことができるようになるなど、特別なことをしたときには思い切りほめてあげようと身構えていても、その機会はなかなか訪れないこともあります。

そうではなく、子どもがあたりまえの行動をしたとき=普通にしているときにこまめにほめること。これがほめる機会を逃さないコツです。では、具体的にはどのようにすればいいのでしょうか。

たとえば、食事中に子どもの姿勢の悪さが気になり、「ちゃんと背筋のばして」と注意し、子どもがその言葉を聞いて姿勢を正したとします。

本来はここですかさずほめるべきなのですが、「どうせすぐに姿勢を崩すだろう」と思っていると、ほめ言葉は出てきません。

数分後、案の定子どもは悪い姿勢に戻っていて、「ほら、また姿勢が悪い! 何度言ったらわかるの」と叱ってしまいます。しかも口調はだんだんエスカレートしていきます。

こうなってしまうと子どもは脅えてますます萎縮するか、逆に反発心を募らせていきます。これでは子どもの行動は強化されず、姿勢をよくするという行動は定着しません。

このケースのように、ほめる機会をつかまえるどころか、口を開けば小言を言ってしまう――そんな対応に、心当たりはありませんか?