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ラーメン二郎好きが心底呆れた…まがい物「二郎系」の薄っぺらな正体

本家の1杯に秘められたアブラの魔力

二郎と「二郎系」は違う

ラーメン二郎は三田に本店があり、独特のラーメンを出す。

その直系の店は40店ある。

本店できちんと修行して、「ラーメン二郎」の看板を出していいと許されているのは「のれん分け」の直系店だけで、それが40店舗あるのだ。

それ以外に「二郎『系』ラーメン」というものが存在する。

これは、三田から始まった「ラーメン二郎」とはほぼ関係がない。

その流れを汲むものもなくはないが、「ただ見かけを真似ただけのもの」も多い。要するに「模倣」でしかない。ラーメン二郎とは、まず、味が違う。

ただ、形が似ていると「二郎『系』ラーメン」という表現でひとからげにされているので、あまりラーメン二郎に詳しくない人には誤解を呼んでしまう。

先だってもそのことでちょっと問題が起こっていた(さほど大きなトラブルではない)。

自粛盛んなりしころ、とある通販の商品で「二郎系ラーメンセット」が売り出されていたのだ。3食パックで2100円。

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あくまで「二郎『系』のラーメンセット」である。二郎と関係ないラーメン店が出したセットを「二郎『系』のラーメンセット」として売り出して、紹介していたのだ。

その紹介文が、かなり怪しかった。

「二郎系ラーメンとは、東京三田に本店を構えるラーメン二郎の系譜を汲むラーメンのこと」

「二郎系ラーメンを愛する人はジロリアンと呼ばれ、日々、全国の二郎系ラーメンを食べ歩くのです」

「呪文のような注文は『コール』と呼ばれ、合い言葉が、『ニンニク入れますか?』だとか」

一部の抜粋であるが、こういう紹介文が載っていたのである。かなり怪しいというか、とても間違った紹介である(問題点は後述)。

二郎「系」という落とし穴

ラーメン二郎は、かなりインパクトの強いラーメンである。

その特徴は多岐にわたる。わかりやすいところで言えば「量が恐ろしく多い」ことだろう。

それ以外にも数々の特徴があるのだが、そこが一番わかりやすい。「野菜が山のように盛られたラーメン」というのがもっとも真似のしやすい部分である。

実際に、そのビジュアルだけを真似たようなラーメンがたくさん出現した。

つまり、べつだん「ラーメン二郎」と何も関係ないのに、ただモヤシを山盛りにしただけのものも「二郎系」と呼ばれるようになったのだ。「二郎『系』ラーメン」という言葉の裾野が勝手に広がっていったのである(「二郎インスパイア」という呼び方もある。意味や使い方はだいたい同じなので、本稿では「二郎系」と表記する)。