7月 5日 WHOがSARS封じ込め宣言を発表(2003年)

科学 今日はこんな日

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"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

2003年の今日、WHOがSARSの封じ込めに成功したと発表しました。

 

中国大陸を舞台に広まったアウトブレイク(感染症集団発生)の封じ込め成功から、SARSと新型コロナウイルスの違いを探っていきましょう。

SARSの原因となる「SARSコロナウイルス」 Photo by Getty Images

SARSとは「重症急性呼吸器症候群(severe acute respiratory syndrome)」の略で、「SARSコロナウイルス」への感染によって肺炎症状を引き起こす感染症です。現在世界中で流行している新型コロナウイルス(COVID-19)はこの「SARSコロナウイルス」の変異種にあたります。感染源はコウモリとも、広東省の市場で売買されていたジャコウネコとも言われていますが、はっきりとは判明していません。

SARSは患者の咳によって飛び散る飛沫を通してヒトからヒトへ感染する病気であり、さらなる感染を避けるために、患者は換気システムのある部屋へ隔離されました。こうした政策が奏功し、SARSは1年足らずの間に封じ込められました。

SARSは中国本土のみならず香港やカナダなどにも広がり、30ヵ国以上で8000人もの患者を出す結果となりました。2004年以降症例は確認されておらず、SARSは病気として根絶されたとみられています。

新型コロナウイルスと違ってSARSの根絶が早くに完了した理由には、SARS患者の症状が重症化しやすく、だからこそ患者や感染経路の特定が容易だったことが挙げられます。新型コロナウイルスは軽症あるいは無症状で済む事例も多いため感染経路の特定が難しく、封じ込めが困難となっているのです。

重症化しやすいSARSは、それゆえに感染経路も特定しやすかった Photo by Getty Images