発達障害・知的障害のある子の「できる」を着実に増やすには?

育ちを支える環境を整えることが大切
からだとこころ編集部 プロフィール

子どもへの対応も、気持ちの準備もあせらずに

子どもに気になるサインがある場合は、自治体の設けている発達に関する相談窓口で個別相談を受けることができます。しかし、気になる点が障害と診断されるものなのか、あるいは「たんに発達がゆっくりだった」「健診時にたまたまそうだった」ということなのかは、すぐに判断できません。まずは子どもの様子を見守り、対応を考えていきましょう。

そして、いろいろな対応をとった結果、発達障害や知的障害の診断がつくことも考えられます。あなたは、子どもの状態に対してつけられた〈障害〉という言葉に落胆し、悲嘆に暮れているかもしれません。どのようにして子どもの障害を受け入れるべきでしょうか?

具体的な診断名が告げられると、親をはじめ家族が動揺するのは当然です。診断がつく前なら、「いつかはほかの子に追いつく」「もうすぐ困った状態も解決する」などと考えて、障害の可能性から目を背けている人も多いものです。

子どもの障害の受容には時間がかかるものですが、その間の葛藤も親として成長していく過程でもあります。

保護者が葛藤している間も、子どもは発達していきます。子どもの持てる能力を最大限に伸ばすために、家庭で、いつ、なにをすればよいのか。子どもといっしょに成長しながら、考えていくことが大切です。

【写真】子どもといっしょに成長しながら、考えていくことが大切子どもといっしょに成長しながら、考えていくことが大切 photo by gettyimages

厳しくしても「できること」は増やせない

言葉が出ない、おむつも取れないと、今は「できないこと」ばかりに目が向いているかもしれません。しかし、注意したいのは、「わかること」「できること」は、厳しく教え込むことで増やせるものではないということです。

厳しくし過ぎたり、叱責ばかりだと、「どうすればよいのか」がわからないままで、自己肯定感(自らを認める気持ち)が育たず、無力感につながってしまいます。

障害のあることをふまえて〈子どもの特性を知ること〉に留意しつつ、そのうえで、今、その子が〈必要としているかかわり方を続けていくこと〉で、子どものできることは確実に増えていきます。

育ちを支える環境を整えよう

障害のある子どもに対し、「もっとがんばれば、できるようになる」「家庭でも療育(訓練)していかなければ」と考える人も少なくないでしょう。

子どもの成長に対して期待する気持ちは大切ですが、文字や数字、言葉をたくさん覚えさせるといったことだけを目指しても、全体的な発達を促せるわけではありません。

親ががんばりたいのは、子どもの育ちを支える環境を整えることです。

発達障害や知的障害のある子どもは、理解力や判断力が弱かったり、刺激に敏感だったりするため、親が気づかないうちにストレスを感じていることがあります。わからないこと、いやなことだらけの環境では、子どもの持つ力は伸びていきません。

子どもの力を伸ばすためにできるかぎりのことをしていこうと願うなら、まずは子どもが安心できる関係、落ち着ける環境をつくっていきましょう。

【写真】育ちを支える環境を用意してあげることが大切安心できる関係、落ち着ける環境をつくることが大切 photo by gettyimages

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『知的障害/発達障害のある子の育て方』

【書影】知的障害/発達障害のある子の育て方

親が育てにくさを強く感じているお子さんには、発達のかたより(発達障害の傾向)や、発達の遅れ(知的な遅れ)があると考えられる場合が少なくありません。

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