偏差値トップ校から、年収100万の「皿洗い」に転落した青年の悲劇

勉強以外の道を誰も教えてくれなかった…
宮本 さおり プロフィール

どれだけ頑張っても年収130万円

地元の国立大学を受験したものの、結果は不合格。そのまま現在にいたっている。

「卒業してすぐの頃は、教師に言われたこともあり、浪人して再チャレンジというのも考えて大学受験塾に入りました。でも、どこか違和感を覚えていました」

たまたまその塾が閉鎖されることとなり、そのまま大学受験もフェードアウトしてしまったと話す。

高校3年時の模試の結果。偏差値はのきなみ40台で、中学時代から大きく落ち込んだ…
 

「もう親も“大学に行け”とは言わなくなりました。今は障害者雇用枠で飲食店で働いていますが、体調のこともあり、それほど多くは働けません。こんな言い方はあれなのですが、自分よりも偏差値の低い学校出身でも、調理師免許を取って生き生きと働いている人を見ると、こういう生き方だってあったよなと。それに比べて、いくら偏差値の高い学校を出ていても、僕は皿洗いです。どれだけがんばっても年収はおそらく130万円くらいで頭打ちです」

やりきれない気持ちを主治医に話すと、「じぁあなんであんな偏差値トップ校なんかに行ったんだ!?」という言葉が返ってきたという。

「返す言葉がありませんでした。大学以外の道もあるよということを、僕の周りの大人はなんで誰も言ってくれなかったでしょう。だから、大学受験に向かないと思っている人がいたら、道はそれだけじゃないようだよと、教えてあげたい。もし、僕が今、高校2年生に戻れるとしたら、逃げてもいいんだと言ってやりたいです。

これから僕はどうしていったらいいのかなと、不安ですね。秋葉原の無差別殺傷事件みたいなことがあると、もちろん、いけないことだとは分かっているんですが、なんとなく、犯人の人の気持ちに共鳴してしまいそうになる。そんな自分がまた怖いんです」