新型コロナウイルスの影響で、対面で商談することができなくなったことにより、テクノロジーを使ったオンライン商談やインサイドセールスが不可欠になりました。元々、技術の素地があったとはいえ、それを加速させたのが新型コロナウイルスといえます。
業態によっては、オンラインで営業することに不便さはなく、むしろ移動に時間がかからない分、コンタクト回数を増やすことができるなど良い面に気づいた方も多いのではないでしょうか。
テック化が進むことで「営業職が不要になるのでは?」という声も一部ありますが、営業職がなくなるというよりも、求められる役割やすべきことの難易度は変わってきているといえるでしょう。
例えば、商談をオンラインに移行させるにあたっては「自社にとってのベストな営業体制の構築」や「属人化しがちなノウハウの見える化」までしっかり考える役割が求められています。
「自社にとってのベストな営業体制の構築」とは、有形・無形などの商材や業態の違い、顧客側がどの程度オンラインに対応できるのかなどによって、オンライン領域とそうでない領域をうまく組み合わせながら体制をつくるということです。
「属人化しがちなノウハウの見える化」については、テレワーク環境においては更に重要度を増しています。そもそも大半の日本企業は現場任せのOJTで育成をしつつ一部のできる人に頼りっぱなしという状況が続いています。営業同士も会えない昨今、やり方を背中で示すなどのこれまでの方法では育成自体も難しくなっています。
さらに、オンラインにおいてはコミュニケーション力や人間力などの属人的なスキルでは売りにくくなります。オンライン環境に適したスキル・ノウハウの見える化や、顧客の状況にあった営業フローの再整備などが求められています。
そこで、「自社にとってのベストな営業体制の構築」や「属人化しがちなノウハウの見える化」に向けて、セールステックを駆使しながら営業部隊を育てるという役割が求められるようになってきています。
これを担うのが「セールス・イネーブラー」という新たな営業のキャリアです。時代に合わせて営業の在り方を変えながら、変わった在り方を見える形にする重要な役割を担います。