「安倍は戦犯の孫」という低質さ…ネット右翼とネット左翼が似ている理由

問題は思想の左右ではない
辻田 真佐憲 プロフィール

「どっちもどっち論」ではない

逆に、クオリティーが低ければ、箸にも棒にもかからない。

昨今、「岸信介が731部隊の最高責任者」などというツイートが、安倍首相を批判したいリベラル系と思われる者たちの間で広がっている。

よく知られるように、731部隊は、細菌兵器の研究・開発・運用などを行った日本陸軍の機関だけれども、最高責任者は岸ではない。そもそも文官の岸が陸軍を指揮するなどありえないわけで、これはきわめて初歩的な知識だ。

ここで、「リベラルなアカウントが『731部隊は存在しなかった』並の歴史修正主義に走るとは」と驚くのは、まったくのお門違いである。

両者は同じ穴の狢なのであって、クオリティーが低い者(インターネット・トロール)が、右や左の衣裳をまとって、適当なことを言っているにすぎないと理解すべきなのだ。

 

SNSで四六時中暴れまわっている、いわゆる「ネット右翼」と「ネット左翼」が、その無理解、暴言、粘着ぶりなどできわめてよく似ているのは、まさにこれが理由にほかならない。

あらためて強調するまでもないが、これは「右も左もどっちもどっち」という話ではない。ただ、「右だ、左だ」という議論は、ある程度の質が確保されてはじめて成り立つと言っているのである。