香港・国家安全法が「中国の没落」と「日本の復活」をもたらす可能性

一国二制度の終焉が意味すること
髙橋 洋一 プロフィール

国際金融センター・香港の没落

香港から一国二制度を取ったら何が残るというのだろうか。その証拠に、政治的基盤が揺らぎ始めてから、香港経済はガタ落ちだ。

香港の2019年7-9月期の実質域内総生産(GDP)成長率は、前年同期比でマイナス2.8%。四半期のマイナス成長はリーマン・ショック以来10年ぶりで、民主化デモの深刻化による観光客の減少と、米中貿易摩擦による中国経済の減速のダブルパンチだった。10-12月期も前年同期比でマイナス2.9%と景気後退になった。2020年1-3月期は、コロナでマイナス8.9%とダメ押しになっている。

香港は、イギリス・スタイルの規制の緩い世界有数の金融センターだった。

イギリスのシンクタンクZ/Yenグループが2007年3月から、国際金融センターの国際的競争力を示す指標(国際金融センター指数)を公表している。100以上の都市・地域を対象とし、年2回ランキングを出している。

2020年3月に公表された最新版によれば、香港のランクは3位から6位まで低下してしまった。

 

その前まで、ニューヨーク、ロンドンに次ぐ3位をシンガポールと競っていたが、一国二制度が揺らいでいることから、今回は下がってしまったわけだ。