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香港・国家安全法が「中国の没落」と「日本の復活」をもたらす可能性

一国二制度の終焉が意味すること

ついに見えた、中国政府「衣の下の鎧」

中国の「香港国家安全法案」が月内にも全国人民代表大会で成立する見通しだ。その場合、香港にどのような影響を与えるか。

この国家安全法は、国家分裂、政権転覆、テロ活動、外国勢力と結託して国家安全に危害を加える行為を取り締まり、処罰する。香港政府が「国家安全維持委員会」を設立し、関連事務に責任をもつが、中国政府は指導・監督のため香港に「国家安全維持公署」を設置する。国家安全法が香港の他の法律と矛盾する場合、国家安全法を優先するとしている。

このような、国家転覆を企てる行為を処罰する法制はどこの国にもある。しかし、中国は共産党が憲法の上位に位置する一党独裁国家であり、共産党批判は国家転覆につながるとみなされる。一方、民主的な国では、政権交代のための民主主義プロセスがあり、政権・政党批判は容認される。

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よく香港に関しては一国二制度といわれるが、その矛盾は、今回のような国家安全法制が出てくると、よくわかる。

欧米の自由・民主主義国では、高度な自治を有する一国二制度ともいえる自治領が歴史的にも存在してきたが、やはり中国では、自由も民主主義の歴史もないので、一国二制度は当初から無理だったのだろう。これまでも中国政府は、一国二制度は「香港固有のものではなく、全て中央政府から与えられたものである」と公言してきたが、今回の香港国家安全法で、ついに衣の下から鎧があらわれてしまった。