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日本人にはわからない「米国暴動・現代の魔女狩り」の予感

警察たたきは一般市民の武装化を呼ぶぞ

天は人の上に人を造らず……

1872年(明治5年)2月に初編(全17編)が発行された福沢諭吉の「学問のすゝめ」は、全編合わせて340万部とされる大ベストセラーである(ちなみに当時の日本の人口は3000万人ほどであるが現在は1億3000万人弱)。

この本の冒頭の一節「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずといへり」という言葉は、日本人ならだれもが知っているだろう有名な言葉だ。

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米国の独立宣言に影響を受けたともいわれるが、明治期に盛り上がった「自由民権思想」に多大な影響を与えた。

本書の中で福沢は、「自由・独立・平等」というそれまでの日本にはなかった新たな価値観を提示したのだが、江戸時代までの「生まれによる身分制」を完全に否定した。もちろん、最近クローズアップされている人種による差別も当然言否定したはずだ。

ただし、逆に「学問のすゝめ」というタイトルからもわかるように、勉学に励み自らを高めて成長し、社会的に高い地位につくことはむしろ奨励した。つまり、自ら切磋琢磨しない人間が大事にされないのは当然という考えだとも言える。

その福沢諭吉が1858年、江戸に開いた蘭学塾から始まった慶應義塾大学の卒業生は日本の経済界で大きな位置を占めている(念のため、私は卒業生ではないし、縁もゆかりもない……)といえる。

 

「生まれによる身分差別」は許さないが「本人の努力の結果で厳しく評価する」社会が福沢の目指したものだと思う。

それでは、現在の日本や世界の状況は150年近く経ってどのようになっているだろうか?