日本でも再び「共産主義テロ」は起こるか?

この国はかつてテロ輸出国だった…
大原 浩 プロフィール

学園紛争と試験中止

3月20日に公開された「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」というドキュメンタリー映画は、「美と共同体と東大闘争」に収載された討論会の記録だ。

「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」予告映像より(配信:GAGA)

本書における共産主義勢力の代表が東京大学(全共闘)であるいうことは象徴的だ。

この討論会は1969年に行われたが、いわゆる学園紛争の真っただ中であった。今の若い世代には想像もつかないであろうが、当時は東大を始めとする大学の多くが共産主義暴力集団に占拠され、試験どころか講義を行うことすらできない状態であったのだ。シアトルの警察署およびその周辺地域の自治区のようなものである。

私が同志社大学に入学したのは1980年だが、その年の後期試験は左翼暴力集団が大学をバリケードなどで封鎖したため中止となった。ノンポリ(政治に興味がないことを示す昔風の呼び方)のミーハー学生であった私は「なんとラッキーな……」と内心喜んでいた。

このような形での試験中止は学園紛争の時代には珍しくなく、それが私のようなノンポリの一般学生を懐柔する手段であったようにも思う。

幸か不幸か、入学2年目以降、バリケード封鎖による試験中止は行われなかった……

1960年と1970年の2回にわたる日米安全保障条約(安保条約)改定を挟んだ期間がいわゆる「学園紛争の時代」だが、日本における共産主義テロの全盛期ともおおむね一致する。

1970年 よど号ハイジャック事件
1972年 あさま山荘事件(この事件でカップラーメンが普及したことで有名)
同年   テルアビブ空港乱射事件
1974年 三菱重工ビル爆破を含む連続企業爆破事件

などである。

特に、赤軍派3名がイスラエル・テルアビブ近郊のロッド国際空港(現:ベン・グリオン国際空港)で引き起こした、無差別乱射により乗降客を中心に26人を殺害、73人に重軽傷を負わせた「テルアビブ空港乱射事件」は、「日本は共産主義テロリストを野放しにしている国家」だとイメージさせるに十分なインパクトを世界に与えた。

 

ちなみに1990年頃イスラエルを訪問したことがあるのだが、現在よりもひげが濃かった(あごひげを伸ばすいわゆるゲバラひげは中東の人々の特徴の1つ。このひげを伸ばしていないと子供だと思われて馬鹿にされる……)私は、アラブ寄りの共産主義者だと思われて、空港で何時間も質問攻めにあった。当時でも、日本人の共産主義テロリストは恐れられていたのだ。