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日本でも再び「共産主義テロ」は起こるか?

この国はかつてテロ輸出国だった…

日本でイスラムテロはまだ起こっていないが……

ロンドンから70キロほど西にあるレディングの公園で6月20日夜、複数の市民が男に刃物で次々と刺され、このうち3人が死亡、3人が大けがをするという事件が起こった。理由は明言されていないが、翌日には警察がテロ事件として捜査を始めた。複数のメディアが、逮捕された男が北アフリカのリビア出身だと伝えている。

また、昨年11月には、テムズ川にかかるロンドン橋のたもとで、イスラム過激派思想の影響を受けていたと見られる男がナイフで歩行者に切りつけ、2人が死亡、3人が負傷するという事件があった。

周りにいた複数の一般市民が男を取り押さえ、駆け付けた警官たちが男をその場で射殺したが、男は別のテロ事件で有罪になり、保護観察中だったと伝えられる。

もちろん、テロの脅威にさらされているのは英国だけではない。マドリード列車爆破テロ事件は、2004年3月11日にスペインの首都マドリードで起こった爆弾テロだ。191人が死亡、2000人以上が負傷した。9.11に次ぐ惨劇だとも言われ、3.11事件と呼ばれる。

そして、2001年の9.11同時多発テロ事件で約3000人の死者、6000人以上の死者を出した米国も、常に「テロとの戦い」を強いられている。

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それに対して、日本では私が知る限りイスラム過激派のテロ事件は起こっていない。もっとも、1991年に発生した殺人事件では、被害者の筑波大学助教授・五十嵐一氏が、サルマン・ラシュディの小説「悪魔の詩」を翻訳している。

1989年にイランの最高指導者、ルーホッラー・ホメイニーは、同書が反イスラム的であるとして、著者や発行に関わった者などに対する死刑を宣告するファトワーを発令していたため、イラン政府との関係が当初から取りざたされていた。しかし、2006年7月に公訴時効が成立し、未解決事件となっている。また、一般市民に対する無差別な攻撃ではない。

 

日本がイスラムテロの標的になっていないのは喜ばしいことだが、私以上の世代の読者は、かつて日本が共産主義テロの脅威におびえていたことを覚えているであろう。

当時の日本は、国内で共産主義者のテロが繰り返されるだけではなく、海外でもテロ事件を次々と起こし、世界から「共産主義テロ輸出国」と思われていたのだ。