ではもうひとつの混合ワクチンとは?

打たなければならないワクチンには、狂犬病ワクチンのほかに、混合ワクチンと呼ばれるものもがある。この違いがよくわからずに、どちらを打ったか分からなくなってしまっている方も多い。

もちろん飼い始めた時にペットショップやブリーダーからきちんとした説明を受け、なおかつそれを一度聞いただけで理解できればよいのだが、他にもたくさん説明を受けるうちに分からなくなってしまっている方も多い。
なかには、子犬や子猫のときに打ったからもう打たなくていいものだと思い、大人になってからは一度も打っていない、という方もごくたまに見かける。確かに人間のワクチンは、大体が子供の時に何度か打てばワクチネーションは完了するが、犬や猫ではそうはいかない。

混合ワクチンとは、数種類の病気のワクチンが混ぜ合わされたもので、少ないものでは3種類、多いものでは10種類といったものもある。

ワクチンについては、世界小動物獣医師会(WASAVA)という団体が、犬と猫のワクチネーションガイドラインを発行しており、2010年に改訂されたガイドライン文献1によると、犬において、犬ジステンパーウイルス、犬アデノウイルス1型・2型および犬パルボウイルス2型に対するワクチン4種類は、すべての犬に打つべき「コアワクチン」とされている。

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犬コロナのワクチンは推奨されていない

日本では昔から、上記4種のコアワクチンに加え、犬パラインフルエンザウイルスおよび犬コロナウイルスに対するワクチンを加えた6種の混合ワクチンを毎年犬に接種することが多かった。

しかしWASAVAのガイドラインによると、犬コロナウイルスのワクチンは打つことを勧められていない。このコロナウイルスとは、今年人で流行している新型コロナウイルス感染症のコロナウイルスとは別の、犬にのみ感染するウイルスであるが、通常症状は非常に軽度だ。また、ワクチンに対する科学的根拠が乏しいため、ガイドラインでは非推奨ワクチン、つまり打たない方がいいワクチンとされている。
最近では、この犬コロナウイルスのワクチンを除いた5種ワクチンを扱う動物病院も増えている。

あとはここにレプトスピラ病という病気のワクチンを加えるか否かだ。レプトスピラ病はネズミなどの野生の哺乳動物の腎臓に保菌される細菌で、おしっこや、おしっこに汚染された水や土等を介して感染が広がる。日本でも毎年40件程度の発生がある。
毎年キャンプをしたり、川に犬を連れて行くという方や、家や近所の散歩コースにネズミが出るといった方には、上記の5種に加え、レプトスピラ病のワクチンが含まれたワクチンを毎年接種することをお勧めする。