6月30日 トランジスタの発明が発表される(1948年)

科学 今日はこんな日

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"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1948年の今日、アメリカのベル電話研究所によって、点接触型トランジスタの発明が発表されました。

トランジスタ Photo by iStock

トランジスタとは、空中の微弱な電波や電流を波形を変えずに増幅したり、デジタル信号を受け取りスイッチの役割を果たしたりする電子機器のことです。多くの電子機器に搭載されている集積回路(Integrated Circuit:IC)には、トランジスタが欠かせません。

トランジスタはベース(B)、エミッタ(E)、コレクタ(C)という3つの部分からなり、シリコンやゲルマニウムといった半導体が主な材料です。半導体には、微量の不純物を混ぜると電流の増幅作用を持つという特徴があります。これを利用して、B-E間に電流が流れたとき、E-C間にその何倍もの大きさの電流を流すことができるのです。

この増幅作用を発見したのが、ジョン・バーディーン(John Bardeen、1905 -1991)とウォルター・ブラッテン(Walter Houser Brattain、1902-1987)です。2人は、1940年代中盤にそれぞれ別のアメリカの大学からベル電話研究所に招かれました。そして第二次世界大戦前から続いていた固体真空管の研究に従事します。

 

研究を続けるうち、1947年に2人は、ゲルマニウムの結晶に2本の針を立てた構造を使った実験で電流の増幅作用を発見します。これが1948年に発表される点接触型トランジスタの原型です。

この発見を聞いて、すでに10年ほど同様の研究に取り組んでいたウィリアム・ショックレー(William Bradford Shockley、1910-1989)は黙っていられませんでした。彼は1ヵ月ほど研究に没頭し、接合型トランジスタを発明します。薄い面のようなベースを両側からエミッタとコレクタで挟むことで、非常に高い電流増幅率を得たのです。

彼が開発した接合型トランジスタは「NPN型」「PNP型」と呼ばれ、現在も広く使用されています。

トランジスタを発明した3人。左から、バーディーン、ショックレー、ブラッテン Photo by Getty Images

彼ら3人の功績は、1956年にそろってノーベル物理学賞という栄誉をもたらしました。

彼らのうちショックレーは、同年にカリフォルニア州のパロアルト(Palo Alto)で研究所を立ち上げ、シリコンバレーが栄えるきっかけを作っています。また、バーディーンは超伝導研究に移り、1972年に2度目のノーベル物理学賞を受賞しました。