北朝鮮にどれほど邪険にされても文在寅政権には痛手にならない理由

統一はもはや「どうでもいい」目標
木村 幹 プロフィール

世論から批判なし、選挙の焦点にもならず

そしてそれには理由があった。それは、韓国の人々が既に随分以前から、南北統一に向けて積極的な関心を有さなくなっていたからである。

例えばソウル大学が毎年行っている調査によれば、民族統一がいわば「国是」の1つとなっているこの国において、近年の調査では20%以上の人達が「統一は必要ない」と公然と回答するようになっている。

「統一は必要だ」と回答した人々においても、その理由を「同じ民族だから」という原則論に求める人は年々減少し、「戦争の危険性を減らす為」と答える人の割合が増加している。更に言えば、統一の方法についても、「大きな対価を払ってもすぐに」と答える人は10%以下にまで低下しており、「条件が整うのを待つべきだ」という人が過半数を占める事になっている。

 

結局その事は、今の韓国人が望んでいるのが、平和で安定した社会の維持であり、統一の実現は遠い目標としてしか認識されていない事を意味している。だからこそ、文在寅政権による「統一政策の不在」は、韓国世論から批判される事もなければ、大統領選挙での焦点にもならなかった。

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