北朝鮮にどれほど邪険にされても文在寅政権には痛手にならない理由

統一はもはや「どうでもいい」目標
木村 幹 プロフィール

統一政策を持たない初めての政権

だからこそ、発足当初の文在寅政権の外交的目標は対話の実現そのものであり、彼らは「その先」の具体的なプランを有していなかった。そしてその事は、この政権における「統一政策」の不在として現れた。

分断状況に置かれた韓国の歴代政権では、民族の悲願である統一に向けた道筋を自らの看板政策の1つして示すのが通例となって来た。

金大中政権の「三段階統一論」や、古くは李承晩政権の「北進統一論」はその例であり、それは文在寅に先立つ朴槿恵政権においても同様であった。朴槿惠は自らの構想として「韓半島信頼プロセス」を掲げ、これを「国際的な規範に基づき、信頼によって南北間の行動を相互に拘束する」事で統一を実現するものだ、と説明した。

 

これに対して、文在寅政権は大統領選挙においても、また発足直後においても、統一実現への自らのまとまったビジョンを示さなかった。つまり、文在寅政権は1948年に成立した韓国において、「統一政策を持たない初めての政権」になったのである。

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