ユニクロに潰された数々の企業に学ぶ「変われないことの危険性」

敗れるときは一瞬、二度と戻れない
週刊現代 プロフィール

アパレル業界の歴史を変える「第二の矢」となったのが、冬の下着の定番となった「ヒートテック」の発売('03年)だ。

甲南女子大学人間科学部教授の米澤泉氏は言う。

「東レと開発した新素材を使い、ムレにくく暖かい下着であることを売りにしました。しかも、それが毎年のように改良されていく。あくまでインナーですが、服はデザインやブランドではなく、『機能性』で選ぶ時代が来た、と主張したのです」

朝早く通学する女子高生、工事現場の作業員、ゴルフに出かけるシニア世代――。老若男女が抵抗なく、同じメーカーの下着を買い求める。以前のアパレルの常識では考えられなかったことだ。

まだはっきりとは現れないが、潮流は変わり始めている。そのことに、他社は気づかなかった。

前出の三陽商会元幹部社員は次のように言う。

「この10年来、他社も『高機能』をテーマにした商品を出している。同じものを出しているのに、どうにもこうにも振り向いてもらえない。一度世の中の空気が変わりだすと、取り戻すことは難しい。認識が甘かった」