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北朝鮮の「女帝」金与正、じつはこれから「大粛清」されるかもしれない…!

「張成沢の二の舞」になる可能性も
橋爪 大三郎 プロフィール

金王朝の「正体」

金日成将軍がソ連の後押しで、救国の英雄として乗り込んで来た。延安帰りの中国派は粛清された。元日本共産党の人びとも粛清された。

金日成の労働党政権は、ソ連の傀儡だった。でもだんだんソ連の支配を脱して、ソ連が崩壊しても続いている。

北朝鮮の独裁体制の、本質は何だろう。マルクス・レーニン主義ではない。儒教の王朝か? 少し近いかもしれない。日本の天皇制とも、そっくりである。

北朝鮮の「主体思想」をつくった黄長ヨプは、戦前の日本で教育を受けた。朝鮮は、1910年から1945年までの35年間、大日本帝国の一部だった。主体は国体の焼き直しだ。金日成が、「天皇」の抜けたあとにすっぽり収まっても不思議はない。

儒教の皇帝と、日本の天皇制。これを足して2で割ったのが金王朝だと考えると、いろいろ説明がつく。

金日成と金正日 photo/gettyimages
 

天皇は「万世一系」で、アマテラスや神武天皇と血がつながっている。金日成→金正日→金正恩、は「白頭山の血統」だという。神話にさかのぼるところが共通している。儒教にはない特徴だ。

いっぽう金王朝は、皇帝権力の要素もある。天皇はふつう、権力を直接ふるわない。皇帝はふつう、実際に権力をふるう。

金王朝を天皇制とみるなら、言わば「天皇親政」だ。天皇親政は、戦前昭和の総力戦体制のキーワードだ。北朝鮮は建国以来ずっと、総力戦体制なのである。