恐怖で鳥肌が…

するとYは、「違うんだよ、違うんだ。変なことはしないから、ただ見て欲しいだけなんだ」と言い、露出した局部を触り続けている。「それがおかしいんですよ!」「早くしまって!」となじるほど、Yはニヤニヤしてくる。

ヤバイ。これは決して、「ただ見て欲しい」だけじゃない。恐怖で鳥肌が立った。イチかバチかで、私はデスクの受話器を取り、椅子を盾にしながら、声を落としてできるだけ静かに話した。

「これ以上近づいてきたり、それを見せたままにするなら、私は今すぐにあなたの奥さんに電話をします。詳しく奥さんに話すし、ここの社長にもすべてを話します。奥さんは私をよく知っているから、私の話すことを絶対に信じると思う。今すぐ出しているものをしまわないと電話をします」

まさか仕事で使っている電話機を武器として使うことになるとは… photo/iStock
-AD-

こちらも火事場の馬鹿力で冷静を装うしかない、もう必死だ。
今ならスマホで映像として証拠を残すことも可能かもしれないが、スマホもない時代、これが精一杯だった。

すると彼は「奥さん」という言葉を聞いて急に我に返ったようにズボンをはき始めた。そして、「悪かった。本当に悪かった! 最近徹夜が続いていて頭がおかしくなっていたんだと思う。こんなことは初めてなんだ。本当に許してくれ。もう二度とこんなことはしないから妻だけには絶対に言わないでくれ! 社長にも言わないでくれ!」と謝りながら、慌てて逃げていった。