都知事選、一番目立つ山本太郎でも「大旋風」を起こせない理由

耳に心地いい政策を訴えるが…
安積 明子 プロフィール

一方で山本氏の街頭演説会は今回の都知事選で街頭演説を行う他のどの候補よりも多くの人を集めているが、いつもより温度が低いのだ。

演説の内容はわかりやすく、音量も素晴らしく調整されている。しかしその訴えは、広場の向こうの階段の上方部まで届いていないように見えた。

一体感がいまいち希薄で、集まっている人と人の間に埋めがたい“隙間”を感じたのは、ソーシャルディスタンスばかりが理由ではないだろう。明らかに昨年の参議院選時よりそのパワーは数段落ちている。

 

“バラマキ”政策への強い違和感

次に山本氏が主張する“バラマキ”政策に覚える強い違和感だ。

「みなさんに10万円の給付、1400万人の東京都民にやっていきます」
「第二波、第三波が来たら、もう一度10万円ずつ配ります」
「中小零細、個人事業主、フリーランスには、第二波が来た時にはまずは100万円を受け取っていただく。これは1回とはいわず、必要に応じて複数回できる」
「15兆円の都債を発行します」

いずれの主張も耳には心地よいが、その傍らで自分たちへの寄付をも呼びかけていることがひっかかる。まるで「10万円がほしければ、我々への寄付を先履行しろ」と聞こえなくもないからだ。