6月28日 SF作家ハーラン・エリスン死去(2018年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

2018年のこの日、ニューウェーブSFを代表するアメリカの作家、ハーラン・エリスン(Harlan Jay Ellison1934-2018)が ロサンゼルスの自宅で亡くなりました。

 

SFといえば『タイムマシン』や『透明人間』などで知られるH・G・ウェルズによって19世紀後半に生み出されたジャンルで、オーバーテクノロジーなどの「科学・技術」を中心として発展してきました。

「SFの父」H.G.ウェルズ photo by Getty Images

これらのアメリカ的なSFに対して人間の心理や社会状況に焦点を当てたものが「ニューウェーブSF」です。この名前は1960年代のフランスで起こった映画運動「ヌーベルターク(新しい波)」にちなんでいます。

これらのジャンルを象徴する言葉としてはJ・G・バラードの「これからのSFが探索すべきは、外宇宙ではなく、人間の意識の内宇宙だ」というものが有名です。

現代文学の基盤の1つとなったこのジャンルで頭角を現したのがハーラン・エリスンです。

彼は小説に限らず『スタートレック』シリーズをはじめとするドラマの脚本など多彩なジャンルで活躍し、国内外のさまざまな賞に輝くなど評価を受けました。

また、日本においては彼の短編『世界の中心で愛を叫んだけもの』が、テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の最終話のサブタイトルである『世界の中心でアイを叫んだけもの』につながったことで知られています。

タイプライターに向かうハーラン・エリスン。本人は「SF作家」と呼ばれるのを望まず、「ファンタジスト(妄想家)」を自称していた Photo by Getty Images

彼は84年の生涯で1000を超える作品を残し、『死の鳥』や『眠れ、安らかに』などの短編集が邦訳もされています。現代文学に多大な影響を残した英傑が、安らかに眠ることを祈っています。