6月27日 地質学者・南極探検家の菊池徹誕生(1921年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

 1921年のこの日、地質学者として第1次南極観測隊に参加した菊池徹(きくち・とおる、1921–2006)が兵庫県に生まれました。

 

彼は部隊の中で15匹のカラフト犬の世話係を任されており、かの有名な映画『南極物語』の主人公の1人、高倉健(1931-2014)演じる潮田暁のモデルとなったことで知られています。

そもそも南極観測隊は正式名称を「日本南極地域観測隊」といい、南極地域における生物の地質や天候、生物の調査を行うために日本政府から派遣されている調査隊のことで、1956年以降ほぼ毎年のように派遣されています。

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通産省地質調査所の勤務中、地質学の知識を見込まれた菊池徹は記念すべき第1次南極観測隊に加わることとなります。総勢53人が砕氷船「宗谷」に乗り込み、1957年1月に南極上陸。昭和基地を建設しながら、さまざまな調査にかかわりました。

彼はそこで11人の越冬隊メンバーの一員になり、15匹のカラフト犬の世話役も任されていました。

南極観測隊は絶え間なく観測を引き継いでいく予定でしたが、1958年2月、第2次南極観測隊は悪天候によって南極に到着することができず、菊池たちの部隊はやむなく犬たちを置き去りにして日本に帰国します。

このことについて、菊池は著書である『犬たちの南極』で

「お前たちは偉大だった。君たちは立派だった。よく働いた。だのに、そのお前たちへの最後のはなむけが置き去りとは、私は気も狂わんばかりだ。さようなら。さようなら! さようなら。さようなら。 」

と述べています。1年後の1959年1月、第3次観測隊が南極へ向かうと犬たちのうち「タロ」と「ジロ」の兄弟犬が生き残っているのを発見しました。これが映画『南極物語』のもととなったエピソードです。

関連記事(タロとジロの写真もあります):
1月14日 南極で生きていたカラフト犬(1959年)

いまだにこの2匹が餌の少ない冬をどのように乗り越えたのかは謎に包まれています。

ちなみに、菊池本人は第3次観測隊には参加していなかったのですが、2匹の生存を聞いてたいそう喜んだということです。