6月25日 ドイツの物理学者W・ネルンスト誕生(1864年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1864年の今日、ドイツの物理学者ヴァルター・ネルンスト(Walther Nernst、1864-1941)が誕生しました。

 

彼は同時代のマックス・プランクとともに熱力学の第三法則を確立したことで知られます。

ヴァルター・ネルンストの写真 Photo by Getty Images

プロイセン王国東部(現・ポーランド)に生まれたネルンストはヴュルツブルク大、ライプツィヒ大、ゲッティンゲン大、ベルリン大などドイツの名だたる大学で熱力学の研究を重ね、1920年には熱力学第三法則の確立に貢献した功績によりノーベル化学賞を受賞しました。

熱力学第三法則とは、大ざっぱに言えば「完全結晶のエントロピーは絶対零度で0になる」という内容です。「エントロピー」とは熱量を絶対温度で割った数値のことで、熱力学における不可逆現象の進み具合を示す概念です。熱力学第三法則により「物質を絶対零度まで冷やすことはできない」という結論が導かれます。

ネルンストはノーベル賞受賞後も研究を続けましたが、その私生活はナチスの台頭とともに暗いものになります。3人の娘のうち2人がユダヤ人と結婚していたため、国外亡命に追い込まれたのです。娘たちとの再会は叶わず、1941年に息を引き取りました。

ちなみにネルンストはネルンスト電球の開発者としても知られ、これは通常の炭素電球よりも明るい光が出せるというのでよく売れました。彼は研究成果を社会に還元することにも意欲的だったのです。

明るく輝くネルンスト電球 Photo by Getty Images

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