受信トレイ1623通(未読62通)

月曜日の朝、Gmailを立ち上げる度に私は絶望していた。この土日にメールが60通は増えている。いつ登録したのか分からないメールマガジン、プレスリリース、イベント会社からの電子ダイレクトメール、そして取引先からのいかにも重要そうなメール。

【至急】や【要返信】の冠詞が目に入り、喉がヒュッとなる。休みの間、スマートフォンの通知を見て見ぬふりをしてきたが、もう逃げられない。分かっている。メールを開けばいい、そして返せばいい。だが、それができない。自分はなんてダメな人間だと思う――。

一般社団法人日本ビジネスメール協会が行った実態調査によると、仕事で使っている主なコミュニケーション手段の第1位は「メール」(99.1%)。そして、メールの1日平均は送信「14.06通」、受信「50.12通」だという(「ビジネスメール実態調査2020」より)。

つまり平日1日パソコンを放置するだけで、受信フォルダに未読メールが50通はたまるわけだ。オフィス勤めをしていたころは頻繁にメールをチェックしていたが、新型コロナ禍におけるテレワークで、すっかり私は「メール恐怖症」になっていた。

メールを開くこと自体が怖い… Photo by iStock

とにかくメールの数が倍増した。対面の打ち合わせができないので会話の如くメールが飛び交う(すぐに返信しないと「さっき送ったオレのメール見た?」)。仕事の依頼メールは、相手が乗り気なのかどうかわからず、返信がないと不安。会議替わりのSlackはもはやどこから未読なのか分からない……。もともと処理能力が高いわけではないので、マリオカートの周回遅れのように、焦れば焦るほどメールが蓄積していった。