「芸人一本の時代は終わった」会社員になったハチミツ二郎が見る未来

アフターコロナの光明になるかもしれない
田崎 健太 プロフィール

ある時期からワイドショーは、“大衆” の皮膚感覚に巧みに寄り添える代弁者を求めるようになった。そこに器用な”芸人”はすっぽりと収まった。

「それを情けないとは思わないです。芸人だけじゃなく、世間がそうなっている。はみ出し者を生かしてくれないじゃないですか。

ぼくのところには流石にコメンテーターの依頼はなかったですけれど、教育を語ってくれという話は何回かありました。全て断りました。定時制(高校)特集ならばいいです。俺なんて二十歳まで高校通っていたのに、なんで教育を語れるんだって。一夫多妻制だ、みたいなことを堂々と言える人が並んでいるならばいいですけれど、そうじゃないじゃないですか」

 

「テレビで認められなかった」ことについて

ハチミツ二郎と松田大輔の「東京ダイナマイト」は、ワンマンライブを開催すれば、即日完売。吉本興業の劇場では、最後の出演者――トリを任される。

トリの矜持とは、たとえ前に出た出演者が滑っても、“入場料分” をきっちり笑わせ、観客に元をとったと思わせて劇場から帰すことだ。吉本興業の劇場の客は年齢層が幅広く、団体客が含まれていることもある。そんな彼ら、彼女たちを笑わせるには腕が必要となる。

そんな腕前がありながら、テレビで東京ダイナマイトを見かけることは少ない。

芸人のひとつの到達点は、テレビのゴールデンタイムで自らの名前をつけた「冠番組」を持つことであるとされている。二郎はそうした立場にない。もしそうであったら、今年になってサラリーマンになることはなかっただろう。冠番組という形で自分たちの実力がテレビできちんと認められていないことに、忸怩たる思いを抱えてはいないのか、と訊ねてみた。

関連記事