コロナ禍で再び脚光を浴びるSF小説家・小松左京の「生原稿」の行方

古書探偵サイコ
松本 彩子 プロフィール

古書の声に、耳をすませば

「草稿」に価値を見出したのは、古書業界です。

活字になったら捨てられる、肉筆を大事に保管しつつ、いつか後世に伝えるべく奮闘しているのです。「写真」も「肉筆」も作家の声なのですからね。

古書を研究する皆さんは、このような「声」を聞くのが大好き!

初版本に至っては、日焼けの具合などで持ち主の本に対する愛情、ひいてはその人の性格まで見通しますから。

書痴に処置なし!

これは若い研究者の名言です。耳を澄ませばいろいろな声が聴こえてきます。

編集者による証言

さて、さらに手がかりを求めて、蛇の道は蛇とばかりに、SFマガジン初代編集長の福島正実さんにアタックしようと試みましたが……すでに鬼籍に入っておられました。

それでは、ということで、2代目編集長である作家で翻訳家の森優(南山宏)さんに恐れ多くも問い合わせいたしました。

森さんはのちに雑誌『ムー』をはじめ、オカルトブームの時に大活躍された方です。UFO研究や超常現象研究でも知られております。

その森さんが温厚な語り口でこうおっしゃいました。

「当時の編集者などで、好きな人は、雑誌に使った原稿や挿画などはそのまま持ち帰ってましたよ。僕らが扱っていた原稿は、はっきりいえば純文学作家界隈のような“お偉いさん”じゃないから、そのまま頂いちゃったり、逆に、不要なものはみんな捨ててました。そんな時代ですよ」

ただし、小松左京先生の原稿のことになると……。

「とにかく、本邦初の空想科学小説誌でしたから、参加した人すべてが新人で、競い合い創作もしましたから、原稿用紙の価値なんて考えた人いないでしょう」

ありゃりゃ。それでは一体、小松左京先生の生原稿は何処に漂着しているのでしょうか?

『復活の日』ではなくとも、別の作品でも、とにかくどこかにありませんでしょうか?

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