中国には、月収3.3万円以下「困窮」人口が9.6億人存在する…

李克強「全人代」爆弾発言を深読みする
北村 豊 プロフィール

平均そのものが低水準

李克強は「中国国民1人当たりの平均年収は3万元(約45万5000円)だが、総人口14億人中の6億人は月収がわずか1000元(約1万5150円)前後である」と述べながらも、貧困脱出闘争の任務は完成できると述べている。

しかし、たとえ500万人以上の貧困人口を貧困から脱出させたとしても、6億人もの中国国民が月収1000元という低水準にあるとすれば、それは中国には米国に次ぐ世界第2の経済大国を標榜する資格は無いことを意味するし、習近平による2020年末までの貧困撲滅宣言の実質的意味に疑問を呈したことになる。

月収が1000元であれば、年収は1万2000元(約18万1800円)という計算になるが、上述した李克強の爆弾発言は根拠の無い、口から出まかせだったのであろうか。

2020年1月17日に国家統計局が発表した『2019年住民収入と消費支出の状況』によれば、2019年における「全国住民1人当たりの平均可処分所得(A)」は3万733元(約46万5600円)で、その内訳は、「都市住民1人当たりの平均可処分所得(B)」は4万2359元(約64万1700円)、「農村住民1人当たりの平可処分所得(C)」は1万6021元(約24万2700円)であった。

李克強が記者会見の中で言及した「中国国民1人当たりの平均年収は3万元」は上述の
3万733元を指す。

 

なお、「住民1人当たりの可処分所得」を統計学上の中央値で見てみると、(A):2万6523元(約40万1800円)、(B):3万9244元(約59万4500円)、(C):1万4389元(約21万8000円)となり、それぞれ上述した平均値の(A)86.3%、(B)92.6%、(C)89.8%であった。すなわち、中央値を構成する普通住民の可処分所得は平均値よりも各々10%程度低いのが実情である。