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なぜ日本は新型コロナ危機で「自粛」に頼るしかなかったのか

日本の法体系から考える

「ロックダウン」できなかったワケ

日本の新型コロナウイルスとの戦いは、今日に至るまですべて「要請」にもとづいている。

安倍総理は2月26日、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部において、大規模イベントについて同日から2週間、中止、延期、規模縮小の対応を行うよう要請を行った。今から振り返ると、これがその後の新型コロナウイルス感染症との戦いの始まりであった。

辞書で「要請」という言葉を調べてみると、「必要なこととして、強く願い求めること」とある。例えば今回も、新型コロナウイルス感染症の蔓延防止のため、大規模イベントの開催を中止してもらうよう国や自治体が願い求めた。つまりは、お願いである。

一方、他国では、強制的に店舗の営業を禁じたり、不要不急の外出を市民に対して罰則を課して禁止する、いわゆる「ロックダウン」などの強行的な対応を行った国もある。

3月のロックダウン当初のアメリカ・ニューヨーク(Photo by gettyimages)
 

そのような中で、日本の対策は生ぬるいのではないか、警察なども使って人の移動を大きく制限するべきではないかという意見もある。実際、私のところにもそういう意見がたくさん来ている。

ではなぜ日本は、ロックダウンという手段を取らずに、自粛の「要請」という対応策にこだわったのか